キャリア 座談会


Member Profile
-
質問役
M.T 1999年入社(中途) 人事部長新卒にて大手損害保険会社に入社。「ダイレクトビジネスモデル」の損害保険会社としてソニー損保が開業するタイミングで、事業の可能性と自己成長を期待して当社に転職。現在は人事部長として、人事課・人材開発課・社員課を統括している。
-
参加者
S.Y 2008年入社 GS社員
(SC社員から
雇用区分転換)大学時代は、国内外の政治について広く学ぶ。地元で働きたいという想いで就職活動を行う中で、興味のあった金融業界であり、なおかつ転勤がなく働けることからソニー損保への入社を決意。2017年4月にGS社員へ雇用区分転換。
-
参加者
S.T 2017年入社 GS社員
(ソニー銀行へ出向中)行政の意思決定について研究していた大学時代。文系出身でありながらも、「何でもやる」という想いから、入社後はGS社員としてデジタルツールを用いた動向分析を担当し、数値で根拠を示すことの大切さを実感した。
-
参加者
K.I 2018年入社 GS社員大学では社会学を学び、震災復興時の人のつながりを研究するかたわらで、ボランティア活動も行っていた。ソニー損保の先進性と、「困っている人を助ける」という事業に大学時代の学びとのシナジーを感じて入社を決意する。
Topics 01
入社後に経験した
仕事を教えてください。


皆さんは、さまざまな部署を経験してこられたと思いますが、入社後に経験した業務についてお聞きしてもいいですか?

以前まで損害サービス部門のサービスセンターで、事故対応をしていました。具体的には、交通事故が起きた際の初期対応、示談交渉、保険金の支払い業務などです。
「異動公募制度」による異動を経た現在は、業務企画推進部に所属しており、火災保険のウェブ申込みプロセスの改善業務や、防災減災につながるお客さまコミュニケーションの検討を行っています。
例えば、調査会社のモニターの方に、実際に契約手続きを行っていただき、その過程でつまずいたところを関連部署へフィードバックし、改善施策へつなげる取組みをしています。

以前はカスタマーサービス部門で、お客さまに満足してもらうためのサービスの企画立案と、お問合せ数の予測業務を担当していました。私はもともと文系でしたが、AIによる機械学習も活用したお客さまの動向分析を任せていただき、そこで「数値で根拠を示すこと」の大切さを学べたように思います。
私もK.Iさんと同じく異動公募制度を活用して異動を経験しましたが、私の場合はソニーフィナンシャルグループの1社であるソニー銀行に出向という形での異動です。現在は、ソニー銀行のデータアナリティクス部に所属しており、主にはデータの分析業務を担当しています。例えば、銀行が保有するお客さまの購買データを分析して、口座開設の案内につなげることや、機械学習を盛り込んだ効率化などの新たな事業にも関わっています。

お二人は、入社当初からGS社員だったと伺っていますが、私はもともとSC社員として入社し、地元のサービスセンターでお客さまの事故対応を行っていました。サービスセンターに所属しているGS社員とSC社員の大きな違いは、GS社員は全国転勤がある一方で、SC社員は配属された事業所から転勤することはないという点です。私は年次を経るごとに教育指導も任されるようになり、新入社員の育成担当や勉強会・研修の対応なども行っていました。このような育成業務を任されるようになったことで、職務の幅を広げて活躍したい想いが強くなり、「雇用区分転換制度」を活用してSC社員からGS社員に転換しました。業務を行うのは以前と変わらず地元のサービスセンターでしたが、仕事における責任感の範囲が変わったと思います。雇用区分転換前よりも「社員をどうマネジメントするか」という意識が強くなり、また担当エリア全域のカスタマーエクスペリエンス(顧客体験のこと。以下、CX)向上のための取組みも行うようになるなど、より上流工程を任されるようになりました。
Topics 02
異動公募制度や雇用区分転換制度に
チャレンジしようと
思った
きっかけを教えてください。


当社の「異動公募制度」は、社員個々の適性にもとづいて、本人の希望を加味した上で会社が人員配置を決定するという従来の異動の考え方に対し、昨今の「自分自身で職種やキャリアを選択したい」という社員のニーズに応えるために導入した制度です。グループ会社であるソニー生命やソニー銀行では先行して異動公募制度が始まっていたこともあり、グループ間での協議を行い、当社では自社内/グループ内の両方での公募制度を2023年度にスタートすることになりました。それぞれの部門が求人を出し、応募した社員との面接を経て異動が決定する制度ですが、お二人はどうしてチャレンジしようと考えたのでしょうか?

私は、6年ほど損害サービスの仕事を担当し、数多くの学びを得られたと思う一方で、もっと新しいことに挑戦してみたいという想いで応募をしました。また、30代を目前とした年齢で、「社会情勢や自動車技術の変化も踏まえて、専門的ではなく、より広い領域で使えるスキルを身に付けたい」とも考えていたため、異動公募制度のお知らせを受けてすぐにチャレンジを決めました。

私もK.Iさんとよく似ていて、7年間カスタマーサービスに携わった後に、「もっとアウェイな環境に飛び込んでみたい」という想いが芽生えました。ソニー銀行への出向という選択をしたのは、別の業界に挑戦したいからというよりも、自分に不足していた「数値的根拠によるデータ分析」の領域をもっと磨いていきたいと思ったからです。

異動までの流れはとてもスムーズでした。これまでの経験と異動先で挑戦したいこと、そしてキャリアプランを記載したエントリーシートを提出し、面談を経て数ヵ月後には合格の通知がもらえました。

お二人とは違って、私の場合は「雇用区分転換制度」を活用し、GS社員へ転換しました。異動公募制度と同様、自分から手を挙げてチャレンジする制度となります。

そうですね、S.Yさんが雇用区分転換をされたのは10年ほど前だと思いますが、雇用区分転換制度は現在でも皆さんに活用されている制度です。GS社員は専任職であるCP・SC社員に比べて職務の幅が広いため、どの部署、どのエリアに配置されるか未知数なところがありますが、基本的にはそれまでの経験と適性を踏まえた上で配属や異動を決めるようにしています。S.Yさんは、なぜチャレンジしてみようと思ったのですか?

私は入社してからSC社員として地元のサービスセンターにて勤務し、その後、他のエリアで2年間業務を行うことができる「エリア留学制度」を活用しました。しかし、事故担当以外で活躍できる機会を増やしてみたいという気持ちが強くなる中で、転職という選択肢もありえましたが、私はソニー損保がとても好きだったので、社内に残りながらも職種を変えることができる雇用区分転換制度へチャレンジすることを決意しました。
Topics 03
異動の際に
不安はありましたか?


K.IさんとS.Tさんは、これまでと異なる部署やグループ会社に異動するとなったとき、不安に感じたことはありましたか?

異動先で、どのような業務をしているのか分からないことが不安でした。これまでの経験が通用するのか、そしてどのように活かすことができるのか、特に着任したての時期は心配がありました。実際に業務が始まると、これまで触れたことのなかった資料作成や社内報告も依頼されたので、少し戸惑った時期もありましたが、少人数の部署だったため周囲に質問しやすく、また私の業務状況も把握してくれていたので、だんだんと慣れていくことができました。何より、公募で異動してきた熱意を買ってくれたこともあり、熱心に教えてくれる環境でした。

私は異動先の業務についてはそれほど心配していなかったのですが、いざ異動するとなると、これまでの部署の居心地の良さが惜しくなってしまいました(笑)。また、現在の配属先に異動してからは、扱う商品も業務もまったく異なるので、1から知識を付け直すという大変さがありましたね。しかし、部署の課長からの勧めもあり、資格の勉強に励むことで乗り越えていきました。今では提案も任せてもらえるようになり、「いてくれて良かったよ」と言っていただけるなど、異動に挑戦して良かったなと感じています。

やはり、新しい業務に慣れるまでは難しさがあるのですね。そんななか、周囲のサポートとご自身の努力によって着実に習熟を深めているのは素敵なことだと思います。S.Yさんは、雇用区分転換の際に不安なことはありましたか?

私の場合は、SC社員からGS社員に転換したことで、たとえどこに配属されたとしても、「GS社員に転換した人なんだ」と期待されるだろうというプレッシャーがありました。最終的には転換前と同様に、地元のサービスセンターへの配属となりましたが、これまでよりも視野を広く持って、センター全体を底上げするような行動を起こさなくてはいけないという使命感が強くなりました。そこでまず、メンバー一人ひとりとの接し方を考える必要があると思い、こまめに声をかけたり、電話対応をしている姿をよく見るようにして、だんだんと距離を縮めていきました。
Topics 04
異動や雇用区分転換して
良かったことは?


K.IさんとS.Tさんは、新しい領域への期待を持って異動されたかと思いますが、キャリアを変えてみて良かったなと感じることはありますか?

当初期待していた通り、扱う商品や業務領域が大きく広がったことが良かったです。以前は自動車保険のみでしたが、今では火災や医療も含めた保険にまつわるCXを扱っています。入社直後のように新しい知識を蓄える経験を、再びできていることが仕事のモチベーションにつながっていると感じます。

K.Iさんとは席が近く、公募の面接に同席させてもらっていたこともあって異動当初から陰ながらエールを送っていたのですが、すごくのびのびと仕事をしていて、どんどん自信のある表情に変わってきたなと思いますよ。

気にかけてくださって、ありがとうございます。自分の希望通りに異動ができて、さらにそのことを周りのメンバーが好意的に捉えてくれていることも嬉しいです。

私が良かったなと感じるのは、見える景色が大きく変わったことです。これまでは、「一部門の中での視野」という感覚でしたが、会社が変わったこともあって、企業目線で損保や銀行、生保の動向を気にかけるようになりました。そうしたさまざまな情報を積極的に集めるようになったのは自分にとって良いことだと思っています。また、会社ごとに社風が異なり、銀行業務ならではの学術的な真剣さを感じられて面白いです。

S.Tさんが実感されているように、異動公募制度の魅力は、一つの領域を突き詰めながらキャリアを築いていきたいと考えた 際に、転職をせずとも職務の幅を広げられることにもあると思います。例えば損保でマーケティングをしていた方が、その経験を活かして銀行のマーケティング部門へと異動する。職種×領域と考えると、選択肢の幅が大きく広がりますね。

確かにそうですね。そうしていろんな景色に触れていくことで、また自分の強みや弱みを客観的に見つめることにもなりえます。転職時に自己分析をするときと似ていて、キャリアプランも含めて改めて考え直すきっかけになるというのは、それだけでも良い経験だったかもしれません。

異動公募制度に挑戦すること自体が新たな発見につながるというのは興味深いですね。S.Yさんは、雇用区分転換をしてみていかがでしたか?

私にとって一番良かったことは、接する人が増え、会社のさまざまな人に出会えたことです。事故対応の部署だけでなく、CX向上に関して本社の社員とやりとりをしたり、新卒の研修資料を作成するにあたって研修担当の皆さんと打合せをしたりと、他部署の社員と関わりが持てることで、自分の担当領域以外のさまざまな仕事に触れられる良い機会になっています。

もし、後輩たちにSC社員からGS社員への転換を勧めるとしたら、どのようなエールを送りますか?

まず相手が何をしたいのかを聞いてあげることから始めますが、もし私のように「幅広く活躍したい」「ほかの仕事も見てみたい」と思うのであれば、GS社員に挑戦して視野を広げてみるのもいいよ、と伝えたいです。一方で、今はSC社員であってもできることがたくさんあるので、同じ拠点で頑張るのも選択肢の一つだと思います。
Topics 05 学生の皆さんへメッセージ


最後に、学生の皆さんに向けたメッセージをお願いします。

どのような会社であっても、自分の望むキャリアを歩めることは貴重だと思います。それが実現できる異動公募制度は良いものだと思いますし、異動を通じて「自分が本当にやりたいことは何か」を考えるきっかけにもなります。私自身、実は応募する前は自分が何をしたいのかが明確ではありませんでした。実際に異動をするタイミングになって、「この仕事は面白そうだ」ということに気づけたからこそ、皆さんにもまずは挑戦してみてほしいです。

私は、異動公募制度ができた背景には、挑戦したいことに対して寛容に受け入れる当社の風土があったのではないかと思っています。制度を使って新たな領域にチャレンジすることはもちろんですが、たとえそうでなくても、業務の中でさまざまなことに挑戦し、そして挑戦を繰り返す中でやりたいことを見つけられるかもしれません。グループ会社間の人材交流も活発に行われていますから、皆さんの進みたい道を当社で見つけてみてください。

私は入社当初、地元で働きたいという気持ちからSC社員を選びましたが、仕事をしていく中でだんだんと「次はこれをやってみたい」という想いが芽生えてきたように思います。そうした自然な成長やキャリアアップの仕方に興味がある方には、当社は魅力的に感じてもらえるはずです。また一方で、GS社員からSC社員に転換を行うこともできます。「もっと広い領域で働きたい」「地元で働きたい」といった一人ひとりのライフプランに合わせて、職種や仕事を選んでいただければと思います。

そうですね。キャリアについて、「5年後、10年後にこうなる」と明確なイメージを入社前から持っている方はほとんどいないように思います。そしてそれは、S.Yさんがおっしゃるように仕事を続けていく中で、あるいは私生活との兼ね合いでも変わり得るものだと思います。だからこそ、皆さんが「こうありたい」と感じたときのために、人事部としてはそれを実現するための選択肢をできるだけたくさん提供していきたいと考えています。

私が入社した当時からすると、GS社員はもちろんのこと、CP社員やSC社員であっても、キャリアの選択肢の幅が大きく広がっていることを実感します。M.Tさん自身も以前はほかの損害保険会社に勤務していたと伺っていますが、新たな選択肢を選ぶためにはどんな力が必要だと思われますか?

新しい領域に踏み出すには自分の意思や頑張りが必要です。異動公募や雇用区分転換といった制度があっても、適性やポテンシャルが伝わらなければそのチャンスを掴み取ることは難しくなってしまいます。そこで大切になるのが、今いる職場でしっかりと努力を重ね、結果に繋げてきたという実績だと私は思います。自分がこれまで積み上げてきた努力や結果こそが、いざ手を挙げて異動を志願し面接に挑んだ際に、相手に「ぜひうちの部署に来てもらいたい。うちでも必ずや活躍してくれるだろう。」と感じさせる説得力になります。これをご覧になっている学生の皆さんにはぜひ、たとえ最初の配属が自分の望んでいた部署でなかったとしても、まずはそこで頑張ることが必ずや将来の自分のキャリアの礎になるのだということを理解いただいて、自分の可能性を最大限に広げていってほしいですね。